【三井化学の年収と福利厚生】

転職

三井化学は日本の大手総合化学メーカーであり、就職・転職市場でも人気が高い企業の一つです。

元従業員の視点から、年収、福利厚生、企業文化などについて解説します。

これから就職や転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

三井化学ってどんな会社??

出典:三井化学

まずは三井化学がどのような会社なのかを簡単にご紹介します。

主要な事業分野

三井化学は、幅広い分野で事業を展開する総合化学メーカーです。

大きく分けて4つの事業領域があり、それぞれが私たちの生活に深く関わっています。

以下、各事業分野について詳しく解説します。

ライフ&ヘルスケアソリューション

ライフ&ヘルスケアソリューション分野は、人々の「いのちと健康」、そして「豊かな暮らし」に貢献することを目的としています。

具体的には、以下のような製品やソリューションを提供しています。

  • ビジョンケア材料: メガネレンズの材料など、視力矯正や目の健康を支える材料。
  • 不織布: 紙おむつや生理用品などに使われる素材。
  • オーラルケア材料: 歯磨き粉などに使われる材料。
  • パーソナルケア材料: 化粧品や洗剤などに使われる材料。
  • 農業化学品: 農薬や肥料など、農業生産を支える製品。

モビリティソリューション

モビリティソリューション分野は、自動車産業を中心としたモビリティ社会の発展に貢献しています。

具体的には、以下のような製品やソリューションを提供しています。

  • エラストマー重合製品:自動車のバンパーや内装などに使われる樹脂素材。
  • 複合材料製品:自動車の構造部材などに使われる強化プラスチック。
  • ソリューション型ビジネス:自動車メーカーと連携し、新しい素材や技術を開発。

ICTソリューション

ICTソリューション分野は、情報通信技術(ICT)の発展に貢献しています。

具体的には、以下のような製品やソリューションを提供しています。

  • 半導体・電子部品工程部材:半導体や電子部品の製造に使われる材料。
  • 光学材料:スマートフォンやデジタルカメラのレンズなどに使われる材料。
  • リチウムイオン電池材料:電気自動車やスマートフォンなどに使われる電池の材料。
  • 高機能食品包装材料:食品の鮮度保持や安全性向上に貢献する包装材料。

ベーシック&グリーンマテリアルズ

ベーシック&グリーンマテリアルズ分野は、化学産業の基盤となる基礎化学品や、環境負荷低減に貢献しています。

具体的には、以下のような製品を提供しています。

  • エチレン、プロピレン:石油化学製品の基礎となる物質。
  • ポリエチレン、ポリプロピレン:プラスチックの原料として広く使用。
  • 触媒:化学反応を促進する物質。
  • フェノール類、高純度テレフタル酸、ペット樹脂、ポリウレタン材料、工業薬品:様々な産業で使用される化学製品。

このように、三井化学は多岐にわたる事業分野で社会に貢献しています。

三井化学の社風

三井化学で勤務経験のある私が働いていたときに感じたのは、伝統的な日本企業の特徴を色濃く残している点です。

これは必ずしも否定的な意味ではなく、良い面とそうでない面の両方を含んでいます。

評価制度について

三井化学では一定の成果を出せば相応の評価を得られますが、突出した成果を上げなくても、ある程度の評価は得られる傾向にありました。

これは長期的な人材育成や、安定性を重視する企業文化の表れとも言えるでしょう。

裏を返せば、短期的な成果で大幅な昇給や昇進を期待するのは難しいかもしれません。

年功序列文化について

三井化学では年齢や勤続年数に応じて昇進や昇給が決まる傾向が強く、若手社員にとっては、実力があってもすぐに責任のあるポジションを任される機会は少ないかもしれません。

逆に長年会社に貢献してきた社員は、安定した待遇を得られるというメリットもあります。

長期的視点でキャリアを形成したいと考える方にとっては、安心感に繋がる要素と言えるでしょう。

三井化学の年収

22年度の有価証券報告書をみると、三井化学の年収の平均は892万円となっています

詳しくみていきましょう。

【職群】

三井化学には大きく分けてC職(Creative)とP職(Professional)の職群があり、給与体系に明確な差があります。

C職(Creative)

大卒・大学院卒が対象で全国および海外転勤の可能性がある

総合職のような位置づけで、将来の幹部候補として育成される傾向

P職に比べて給与水準が高い

P職(Professional)

高卒が対象で工場もしくは支店ごとの採用

現場のスペシャリストとして、専門的な業務に従事

給与水準はC職よりも低い

年収イメージは「P職50歳」と「C職32歳」が同程度の給与です。

以下、大まかな年代ごとの年収例です↓↓

年代平均年収最高年収
25~29歳525万円700万円
30~34歳653万円850万円
35~39歳900万円1,150万円
40~44歳1,007万円1,300万円
45~49歳965万円1,230万円
60歳以上872万円1,200万円

C職 年収

三井化学は大きく分けてL、H、Gのクラスに分かれており、さらに細かくグレード(等級)で区分されています。

Lクラス (L1, L2)

Lクラスは、年収420万円~510万円で新卒入社直後から数年程度の若手社員が該当します。

研修期間やOJT期間を経て、徐々に業務に慣れていく段階です。

Hクラス (H1, H2, H3)

Hクラスは、年収500万円~700万円でLクラスから昇格し、ある程度業務経験を積んだ中堅社員が該当します。

担当業務の幅も広がり、責任も大きくなってくる時期です。

Gクラス (G1~G7)

Gクラスから管理職となり、年収800万円~3,000万円でG3~G4が課長クラス、G5がグループリーダー、G6が事業部長、G7が役員クラスとなります。

年収レンジも大きく開き、役職によって大幅に給与が上がることが分かります。

C職 昇進目安

C職の昇進は、以下のようなステップと目安年数で進んでいきます。

L1→L2

学部卒で3年、修士卒で1年が目安です。

新卒入社後に基礎的な業務を習得し、一人で業務を遂行できるようになるまでの期間です。

H1→H2

H1からH2は2年が目安です。

L2で業務経験を積んだ後、より専門的な知識やスキルを身につけ、業務の幅を広げていく段階です。

博士卒は、専門性の高さからH1からのスタートとなります。

H2→H3

H2からH3は2年が目安です。

H2でさらに経験を積んだ後、より高度な業務やプロジェクトに携わるようになっていく段階です。

H3→G1

H3からG1は3年が目安で、8割程度昇進可能と言われています。

G1は管理職の入り口であり、ここからキャリアパスが大きく分かれる重要なステップになります。

学部卒の場合、入社から11年程度でG1に昇進するのが一般的です。

G3→G4

G3からG4への昇進は、管理能力やリーダーシップなどが評価されるため昇進できるのは5割程度と言われています。

優秀な場合は、目安年数よりも早く昇進できる可能性もあるようです。

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三井化学の賞与と評価制度

【賞与】

三井化学の賞与は以下のようになっています。

  • 年2回支給(合計5~6か月分)
  • 業績に左右されやすい算出方式
  • 成績が低調なら金額が減る

計算式変更前はあまり変わらないケースが多かったですが、業績が好調なら高くなり、調子が悪い局面ではしっかり下がります。

【評価制度】

三井化学の評価制度は以下です。

  • ランクはW・S・A3・A2・A1・B・C
  • Aが大半を占める仕組み
  • Sを連続で獲得すると昇進年齢が早まる
  • 優秀ならW評価

A評価が幅広く設定されているため、多くの社員がAに該当します。

S以上を複数回取得すると、管理職になれる時期が1年早まります。

W評価はごくわずかですが、総じて頑張りに応じた待遇を反映しやすいシステムです。

大手企業でキャリアを築きたい人に向いている環境といえるでしょう。

三井化学の福利厚生

三井化学の福利厚生はどうなっているでしょうか。

以下、休暇制度と住宅補助を見ていきます。

【休暇制度】

三井化学の年間休日は122日です。

完全週休2日制(土・日)や祝日、年末年始、有給休暇(20日)が標準になります。

他に用意されている休暇は次の通りです。

単身赴任帰宅休暇適宜
結婚休暇連続8日
リフレッシュ休暇連続2日/毎年
介護休暇有給を消化
看護休暇有給を消化
社会活動休暇有給を消化

【住宅補助関係】

三井化学の住宅補助は以下のようになっています。

  • 家賃補助やもち家補助は無し
  • 事業所には社宅・寮が完備
  • 独身寮:負担額月1~2万円
  • 社宅の負担額月2.5万円
  • 40歳以降は10万円前後まで増額

三井化学の寮や社宅は老朽化が進み、設備が古い建物が多く評判が良くありません。

2~3人で部屋を共有する形式で風呂とトイレも共用です。

ただし、女性は借り上げ社宅を利用できる地域もあります。

給与面から外部アパートを選ぶ社員も多いです。

三井化学に中途入社するには

三井化学は大企業であるにもかかわらず、中途入社の可能性は高めです。

職種や求められるスキルによって難易度は大きく異なりますが、比較的門戸が開かれています。

高卒の場合は、主に製造オペレーターとしての採用となります。

未経験者も多く採用されているようですが化学業界の最大手ということもあり、基礎学力など一定のレベルが求めらます。

入社後も継続的な教育・研修制度が整っているため、未経験からでも専門知識やスキルを習得できる環境にあると言えるでしょう。

中途入社の場合でも、年齢や経験に応じた待遇が考慮される傾向にあります。

例えば経験者の場合、前職での経験やスキルが評価され、入社後のポジションや給与に反映されることがあります。

ただし、必ずしも前職と完全に同じ待遇が保証されるわけではなく、企業の評価基準や組織状況によって多少変動する場合もあるため、面接時などに確認しておきましょう。

最後に

三井化学は、人々の暮らしを支える様々な化学製品と技術を提供する大手総合化学メーカーです。

三井化学への就職・転職を検討される際は、明確なキャリアプランを持ち、企業研究を十分に行い効果的な自己PRを準備することが大切です。

今後も三井化学関連、化学業界関連の記事を増やしていきますので就職、転職の際お役に立てれば幸いです。

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