【DIC徹底解説~年収から福利厚生まで~】

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はじめに

本記事では、日本を代表するインクメーカーであるDIC株式会社について徹底解説します。

これから就職や転職を考えている方におすすめの記事です。

DIC株式会社の概要

DIC株式会社(旧・大日本インキ化学工業株式会社)は、日本を代表する化学メーカーです。主にインキ、カラー素材、機能性樹脂、機能性フィルム、医薬品、農薬などの製造・販売を行っています。

以下に、DIC株式会社の主な特徴や事業領域について簡単に紹介します。なお、最新の情報は公式ウェブサイトや企業報告書を参照してください。

事業領域

  • インキ事業:印刷インキやデジタル印刷用インキを提供
  • 樹脂事業:機能性樹脂や合成樹脂の製造・販売
  • カラー&ディスプレイ事業:カラー素材やディスプレイ用材料の開発
  • ヘルスケア事業:医薬品や医療材料の製造
  • アグロサイエンス事業:農薬や農業用資材の提供

国際展開

DICは、日本国内外で幅広い市場に製品を提供する国際企業グループとして活動しています。

  • 世界各地に製造・販売拠点を持ち、地域ごとの需要に応じた製品供給が可能
  • アジア、ヨーロッパ、アメリカなどに展開し、国際的な事業ネットワークを構築
  • 世界中の企業と提携・協力し、グローバルな競争力を強化

環境への取り組み

DICは持続可能な事業展開を目指し、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。

  • 再生可能エネルギーの活用を推進し、エネルギーの持続可能性向上に貢献
  • 省エネルギー化、資源の有効活用、排出物削減など、製造プロセスにおける環境対策を強化

歴史

DICは、100年以上の歴史を持つ企業です。その歩みを簡単にご紹介します。

  • 1908年:「大日本製薬株式会社」として創業。当初は薬品の製造販売を手がける
  • 1937年:「大日本インキ工業株式会社」に改組し、インキ製造に進出
  • 1945年:第二次世界大戦後、戦災の影響を受けながらも事業を再建
  • 1955年:「大日本インキ化学工業株式会社」に社名変更
  • 1960年代:海外市場への進出を開始し、グローバル展開を本格化
  • 1990年代:化学製品分野を拡大し、新技術・新製品の開発を推進
  • 2000年代以降:機能性樹脂、デジタル印刷用インキ、医薬品、機能性フィルムなど、多岐にわたる事業を成長させる

DICの年収、階級

DIC株式会社の年収・賃金制度

平均年収

2022年度の有価証券報告書によると、DICの平均年収は759万円となっています。

DICの賃金制度において、他の化学メーカーと大きく異なる点は以下の通りです。

  • 大卒も高卒も給与テーブルが同じ
  • 職種による年収差がない(年齢によって決定)

職種分類と共通賃金制度

DICの職種は、大きく3つに分類されます。

  • 技術系:研究、分析、解析 など
  • 生産系:生産技術、生産システム開発、製造 など
  • 事務系:営業、購買物流、管理部門 など

DICでは、すべての職種に共通の賃金制度を採用しているため、職種ごとの年収差は存在せず、年齢と昇格によって給与が決まります。

昇格制度と階級別の特徴

DICの一般社員は、以下の4つの階級に分かれています。

階級主な対象者昇格試験試験内容特徴
J級高卒・高専卒なし入社時の初期ランク
M級高専専攻科卒・大卒23歳で昇格試験面接(合格率70%)面接対策をすれば合格しやすい
S級大学院博士号卒28歳で昇格試験面接+論文(合格率30%)給与が大幅にアップ
上級S級から昇格任意面接+高度な論文合格率が非常に低く、工場で1人受かるかどうかの難関試験

昇格試験の詳細

M級昇格試験(23歳)

  • 試験内容:面接のみ
  • 合格率:約70%
  • 面接対策をしておけば、ほとんどの人が合格可能

S級昇格試験(28歳)

  • 試験内容:面接+論文
  • 合格率:約30%
  • 論文の題材は試験当日に発表されるが、過去の傾向をもとに事前準備が可能

上級昇格試験(S級後)

  • 受験資格:S級で一定の条件を満たす
  • 受験は任意(多くの現場職はS級までで止まる)
  • 試験内容
    • 面接
    • 高度な論文(会社への貢献度を具体的に示す必要あり)
  • 合格率が極めて低く、工場で1人受かるかどうか

上級昇格と年収の関係

三交代勤務者も、上級になると日勤に異動することが多い(年収が非常に高くなるため)

上級になれば年収が大幅にアップし、管理職への道が開ける

DICは激務?残業時間は?

DIC株式会社の業務量と残業時間

DIC株式会社の業務量についてですが、一般的に比較的ゆとりがある方だと言えます。もちろん、部署ごとに異なりますが、バッチ生産という形式をとっているため、業務は比較的緩やかだと認識されています。

また、公表されている平均残業時間は9.8時間程度であり、他の化学業界と比べてかなり少ないことが分かります。では、なぜDICの残業時間が少ないのでしょうか?

DICの残業時間が少ない理由

その理由の一つは、DICには定期整備(定修)がないことです。DICで製造している塗料系の樹脂に使用される原料は、有機溶媒やドラム原料が多く、高圧ガスやガスを使用していないため、消防法や一圧法程度の法的対応で済みます。このため、定期的な設備の整備(定修)が不要となります。

さらに、GW、盆、年末年始には工場の生産が完全に停止し、全員が休暇に入るという点もDICならではの特徴です。これにより、帰省の際もゆっくりと休むことができるため、生活面でも非常に安定しています。

休務者補充の方法が異なる

また、DICでは三交代勤務者の休務者補充の方法が他の企業とは大きく異なります。通常、休務者が出た場合、前後の班で12時間勤務を行い人数を補うのが一般的ですが、DICでは、休務者の補充は基本的に日勤者が行うことになります(現場によって異なる場合もあります)。このため、交代勤務者の残業時間が大幅に減少し、労働時間が安定します。

これが残業時間を少なく保つ要因となっているわけです。ただし、残業代で稼ぎたい人には、残念かもしれませんが、この点も考慮する必要があります。逆に、日勤者が稀に夜勤に入る可能性もあることを覚えておいてください。

DIC株式会社の休暇制度と福利厚生

休暇制度

DIC株式会社では、以下の休暇制度が整備されています:

  • 年次有給休暇
  • 保存有給休暇
  • 産前産後休暇
  • 小児看護休暇

また、年間休日は122日(2023年度)で、土日や国民の祝日などを含む事業所カレンダーに基づいています。さらに、交代勤務者(4直3交代)は年間休日が109.25日となっています。

住宅関連福利厚生

DICでは、社員向けに以下の住宅関連の福利厚生を提供しています:

  • 独身寮
  • 社宅
  • 住宅手当
  • 転勤準備金

住宅手当の計算式は、以下の通りです:

家賃 - 20,000円 ÷ 2 = 住宅手当支給額

また、通勤が難しい場合、民間のアパートを借り上げて社宅として扱われることもあります。月額16,000円で住むことができ、非常にお得な制度です(光熱費は別途)。

資産形成支援

DICでは、社員の資産形成をサポートするために以下の制度も提供しています:

  • 財形貯蓄制度
  • DICドリーム年金
  • 従業員持株会(10%還元)

これらの福利厚生は、社員の生活と将来に対する支援となり、安定した生活を提供しています。

DICに中途で入社するには

DIC株式会社への中途入社について

未経験者の場合

DIC株式会社では、大手企業にしては意外と簡単に中途入社できるかもしれません。特に高卒の方は製造オペレーターとしての職種が多く、未経験者でも採用されることが一般的です。ただし、未経験で入社する場合、年収が高卒2〜3年目のレベルからスタートすることもありますので、面接時にしっかりと確認しておくことが重要です。

また、年齢による裁量はあまりないと考えられるため、面接時に年齢やスキルに関する扱いについて確認しておきましょう。

経験者の場合

一方、経験者の場合は、無職期間がなくスムーズに転職した場合、高卒入社でストレートに上がるランクと同じランクに位置づけられることもあります。ただし、経験者であっても多少ランクが下がる場合もあるため、面接時に給与やランクについて確認することが大切です。

今まで培ってきたスキルや経験を活かして強気に交渉することもできますので、自信を持って面接に臨むと良いでしょう。

DICの社風

DICは部署ごとで大きく文化が異なります。

交代勤務のサイクル、夜勤の仮眠時間、休務者の補充等、現場ごとで違うことが多いです。

大体は現場の都合に沿って、決まりますので厳しくなることはなく緩いイメージです。

またどの部署も風通しは良いイメージ

残業時間を少なくしようと会社、組合共に取り組んでいますので、無駄な残業時間がないよう配慮されることが多いです。

最後に

DIC徹底解説いかがでしたでしょうか

今後もDIC関連、化学業界関連の記事を増やしていきますので就職、転職の際お役に立てれば幸いです

少しでも「今の働き方を見直したい」と思ったら、まずは求人情報を見てみるのもひとつの方法です。
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