今回は、積水化学の基本情報や、評判・口コミ、仕事内容・キャリア、年収・待遇、転職活動時のポイントなどについて解説します。
積水化学の基本情報
| 社名 | 積水化学工業株式会社 SEKISUI CHEMICAL CO., LTD. |
|---|---|
| 設立 | 昭和22年（1947年）3月3日 |
| 資本金 | 100,002百万円 |
| 代表取締役社長 | 加藤 敬太 |
| 従業員数 | 26,929名（2024年3月31日時点の連結ベース） |
| 売上高 | 1,256,538百万円（2024年3月期時点の連結ベース） |
| 営業利益 | 94,399百万円（2024年3月期時点の連結ベース） |
| 経常利益 | 105,921百万円（2024年3月期時点の連結ベース） |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 77,930百万円（2024年3月期時点の連結ベース） |
| 事業場 | 大阪本社 〒530-8565 大阪市北区西天満2丁目4番4号 |
| 東京本社 〒105-8566 東京都港区虎ノ門2丁目10番4号 電話番号(代表） 03-6748-6460 |
「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の領域で、3つのカンパニー（事業体）とメディカル、コーポレートで事業を展開しています。
積水化学工業の平均年収
2024年度の有価証券報告書によると、積水化学工業の平均年収は約913万円で、平均年齢は43.9歳です。これは、化学業界内でも上位に位置する水準です。
また、職種や役職によって年収は大きく異なります。例えば、課長クラスであるG4では年収1,000万円を超えることもあります。
積水化学の年収を徹底解説｜初任給・年齢別・役職別・職種別・グレード別のリアル
積水化学の年収・待遇について詳しく解説します。
初任給（総合職の目安）
- 学部卒：月給 23.0〜25.0万円
- 修士了：月給 25.0〜27.0万円
- 博士了：月給 29.0〜31.0万円
初年度想定年収（残業20h／月・賞与5〜6カ月相当の相場）
- 学部卒：380〜430万円
- 修士了：410〜470万円
- 博士了：480〜560万円
ポイント
・配属が工場の交替勤務だと深夜・交替手当で+20〜60万円／年上振れも。
・首都圏・主要都市配属は住宅補助の条件次第で可処分**が変わる。
年齢別年収カーブ（総合職・全国型の目安）
| 年齢 | 想定年収レンジ | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 22–24歳 | 380–470万円 | 初任給＋残業で差。賞与は評価係数が効く |
| 25–27歳 | 430–550万円 | 仕事の幅拡大期。工場は手当強め |
| 28–30歳 | 520–700万円 | 昇級が効きやすい。転居を伴う異動で住宅条件変化 |
| 31–33歳 | 600–800万円 | 主任クラスへ。専門性と成果で伸び方に差 |
| 34–36歳 | 680–900万円 | 係長候補帯。評価・残業・手当で振れ幅大 |
| 37–39歳 | 750–1,000万円 | 係長〜課長手前。プロジェクト責任で賞与係数が効く |
| 40–44歳 | 850–1,100万円 | 課長級の入口。部門の収益連動が強い |
| 45歳以降 | 900–1,300万円 | 課長〜部長帯。役割と人数構成で天井が変わる |
30代前半で一段上がる“段差”、管理職昇格でもう一段。ここがケタの変わり目。
職種別の特徴と年収感
研究開発（R&D）
- レンジ：550〜950万円（非管理職）
- 修士・博士比率が高く、専門性評価が強め。特許・テーマ進捗で賞与係数に差。
生産技術／製造（プラント・品質含む）
- レンジ：520〜950万円（非管理職）
- 交替・深夜・呼出手当で年収底上げ。保全・工程改善の実績は昇格に直結。
営業（BtoB）
- レンジ：520〜1,000万円（非管理職）
- 製品ミックス・価格改定・アカウント規模で賞与幅が出る。海外担当は語学加点。
本社管理（人事・経理・法務・購買 ほか）
- レンジ：500〜900万円（非管理職）
- プロジェクト経験・資格（会計・知財・法務）で“帯域の上側”に乗りやすい。
同じ等級でも“職種×勤務地×手当”で100万円以上の差は普通に起こる、が実感値。
等級（グレード）別の考え方（総合職モデル）
- 基礎等級（例：J1〜J3）：新卒〜若手。職務の幅を増やし成果・行動評価で年1昇給＋賞与係数
- 中核等級（例：J4〜J5）：主任〜係長帯。テーマ責任・後輩育成で評価ウェイトが上がる
- 管理職等級（例：M1〜M3）：課長〜部長。部門KPI・人材ポートフォリオが年収を左右
ざっくり帯域（賞与5〜6カ月・残業20h前提）
- J1：380〜500万円
- J2：480〜650万円
- J3：600〜800万円
- J4：700〜950万円
- J5：850〜1,050万円
- M1：1,000〜1,300万円
- M2〜：1,200〜1,600万円
実務では「等級×評価（S〜C等）×地域／勤務形態」の三層設計。ここがわかると自分の“伸びしろ”が読みやすい。
賞与・手当の現実味
- 賞与：年5.0〜6.0カ月が相場観（業績連動で上下）
- 残業代：みなしが基本ではなく、実残業×割増。研究・本社は20〜30h／月に収まりやすい
- 交替勤務手当：+20〜60万円／年（現場のシフト設計次第）
- 住宅関連：独身寮・社宅・家賃補助など条件充実。転居を伴う異動で支援厚め
- 家族・通勤・単身赴任：大手らしい網羅。赴任時は引越費用・一時金あり
昇給・昇格制度の基本構造
まず、制度の枠組みとして以下のような要素が見られます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 昇給頻度 | 年1回が基本。7月に昇給・昇格が実施されるという情報があります。 |
| 評価タイミング | 半期評価 × 年度評価で、評価結果が昇給・昇格・賞与に反映される。 |
| 昇格ルート | 「一般社員 → 主任 → 係長 → 課長 → 部長クラス」など役職等級があり、専任担当職の “初級／中級／上級” と、管理職等級（G4＝課長クラス以上など）などの区分がある。 |
| 昇格試験・申告制度 | 上級・管理職等級への昇格には試験や自己申告が必要なケースあり。成果・役割・評価で合格基準を満たす必要がある。 |
昇格（昇進）の実際とタイミング
どのあたりで昇格が起きるのか、昇格時の要件やスピード感について、実際のデータ・口コミをもとに整理します。
| 昇格ステップ | タイミングの目安 | 必要な要素／要件 |
|---|---|---|
| 初級 → 中級（専任担当職中級） | 入社 3〜5年目あたりが目安という声あり。早い人だと5年目で中級に上がるケース。 | 職務担当能力が一定水準に達していること、会社からの評価が良いこと。部下指導が含まれることも。 |
| 中級 → 上級（専任担当職上級） | 7〜10年目あたり、もしくは成果を上げた人材がこのステップに。 | 実績・専門性・責任範囲の拡大。自己申告／試験制度を通る必要がある場合あり。部門や配属先の業績も関係。 |
| 上級 → 管理職（係長・課長など G4以上） | 経験・成績・能力次第。一般的には30代後半〜40代前半が多いという声。早期上がる人も一定数。 | 昇進試験／管理能力・部下・プロジェクトの牽引・部門のKPI貢献などが評価対象。コミュニケーション力や横串業務などのマネジメント資質も問われる。 |
| 管理職 → 上位管理職（部長クラスなど） | 40代前半〜中盤以降。部署規模・成果・戦略的重要性のある部門での実績が加味される。 | 業績責任・部下管理・部門の収益改善力・経営視点など。評価・試験・アセスメントプロセスが厳しい。 |
積水化学の住宅補助を徹底解説｜家賃補助・社宅・借り上げ社宅の実情
借り上げ社宅制度
独身寮を卒業した社員や、家族帯同で転勤する社員に多用されるのが借り上げ社宅です。
- 会社が物件を契約 → 社員は一定割合を負担
- 本人負担割合：家賃の 2〜3割程度
- 上限額：エリア・家族構成により変動
- 単身：上限 6〜7万円程度
- 配偶者帯同：上限 10〜13万円程度
- 実際の負担イメージ
- 家賃12万円の物件 → 本人負担 3〜4万円
- 家賃8万円の物件 → 本人負担 2万円前後
ポイント
・都市部でも「自己負担3万円程度」で十分住める水準
・転勤者の生活基盤を守る仕組みが整っている
家賃補助（住宅手当）
- 対象：自宅通勤不可・寮や社宅に入らない社員
- 支給額：月 1〜2万円程度が相場
- 制約：勤務地域、扶養状況、契約形態に応じて支給額が変化
ただし、寮・社宅を優先利用とするケースが多いため、現実的には「借り上げ社宅」がメイン制度となります。
単身赴任時の住宅補助
- 赴任先住居：借り上げ社宅を会社が手配
- 負担割合：通常の借り上げ社宅と同水準（2〜3割）
- 単身赴任手当：月 3〜6万円程度（家族帯同不可時の生活補填）
- 帰省旅費：月1回の実費支給あり
これにより「二重生活」の負担はかなり軽減される仕組み。
積水化学の住宅制度の特徴
- 自己負担が非常に低い
→ 家賃の7割前後を会社が負担。特に都市部勤務では恩恵が大きい。 - 転勤者前提の設計
→ 総合職は全国転勤があるため、異動時に住宅制度が機能する。 - 家族持ちにも厚い
→ 配偶者・子どもがいる場合の上限額が高く設定されている。
積水化学転職市場の現状
転職市場の現状 ～積水化学に関して
- 中途採用を拡大傾向にある
- 「Vision 2030」など将来戦略を掲げており、成長領域（高機能プラスチック・環境／ライフライン・医療検査など）で人材を強化する動きがあります。
- Dodaなど求人サイトを見ると、積水化学工業の中途求人が複数常時出ており、“エンジニアリング、生産技術、情報システム企画・推進”などの職種が多め。
- ブランド力・安定性が高く評価されている
- 住宅・環境・ライフライン・医療など多角的事業を展開しており、「非コモディティ素材」「社会インフラ」に関わる案件が多いため、業績の影響をある程度受けにくいという印象があります。
- 福利厚生・年収水準も業界内で高く、転職先として「待遇面」「安定性」を重視する人から根強い人気があります。
- 難易度も高い
- 学歴・専門分野・経験が求められるポジションが多く、技術系（特に化学／材料／設備設計など）経験者のスキル確認が厳しい。
- 選考基準に「マネジメント経験」「プロジェクト遂行能力」「海外との関わり」「英語力」など、専門性・実績が問われるものが含まれるケースが多い。
- ポジションや年齢・スキルによって“当たり外れ”が大きい
- 若手・第二新卒レベルであれば、「ポテンシャル採用＋教育・育成枠」が存在し、転職のハードルは“経験者ポジション”よりは低い。ただし、配属先や専門分野での“初期の役割”がキャリアに影響を与えやすいという口コミも見られます。
- 中途採用であっても、どの事業部か・どの勤務地かによって待遇・成長機会の差が出ることが報告されています。
転職の“狙い目”ポジション・条件
以下のような状況・ポジションだと転職市場で有利になる可能性が高いです。
- 経験3〜7年程度の専門技術者（化学、材料、プラスチック成形、生産技術、品質管理など）：実務スキルを持っていれば“すり合わせ”で採用されやすい。
- 設備設計・プラント立ち上げ経験者：マテリアル系や高機能プラスチックでの生産ライン経験者は歓迎されることが多い。
- エンジニアリング以外でもIT／デジタル領域／デジタル化推進系の経験者：業界でもDX・IoT・自動化のニーズが高く、積水化学でも内部システムやスマートマニュファクチャリング等を担う人材の需要あり。
- 英語力・海外展開経験：海外案件・グローバル仕入れ・販売を扱う部署であれば、言語／コミュニケーション力・文化適応力がプラス要素。
総合評価：転職先として“あり”かどうか
積水化学は「十分あり」の転職先です。ただし、万人向けではなく、「条件を見極める力」「志望動機を持って臨める経験」「将来像を描ける人」にとっては非常に魅力的です。
- 高待遇・安定性・多様な事業領域・福利厚生などが整っているので、“守りたい要素”と“やりたい分野”が合致すれば、キャリアアップ先として強い選択肢。
- 一方で、“ポテンシャル採用”だけでは限界があるポジションも多いため、自身のスキル・経験を具体的に語れる準備をしておくことが成功の鍵。
積水化学のような大手企業は、転職エージェント経由でのみ出回る求人も多くあります。
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