〜武田薬品・中外製薬・第一三共・アステラス製薬・エーザイ・大塚製薬を徹底比較〜
はじめに

製薬業界は、国内でも屈指の高収入・安定業界として人気があります。特に大手6社は、研究開発投資や海外展開の規模が大きく、給与水準・福利厚生ともにトップクラスです。
しかし「給与が高い=ホワイト企業」とは限りません。残業時間や働きやすさ、社内文化、住宅制度などを総合的に評価しなければ、真の意味での“ホワイト企業”は見えてきません。
本記事では、武田薬品工業・中外製薬・第一三共・アステラス製薬・エーザイ・大塚製薬の6社について、年収水準・福利厚生・残業時間・社員満足度の観点からランキング形式で比較していきます。
ホワイト企業の評価基準(製薬業界編)
ランキングを作成するにあたって、以下の基準を重視しました。
- 給与・賞与水準:平均年収、賞与月数
- 残業時間:月20〜30時間を目安に評価
- 福利厚生:住宅補助、社宅制度、育休・介護休暇、健康支援など
- 社員口コミ・満足度:働きやすさ、評価制度の透明性
- 定着率・勤続年数:安心してキャリアを積めるか
製薬業界ホワイト企業ランキング【6社比較】
第1位:中外製薬
- 平均年収:1,200万円前後(業界トップクラス)
- 残業時間:開発職はやや多めだが、全体的に月25時間程度
- 福利厚生:借上げ社宅・住宅補助・持株制度・財形貯蓄などが整備
- 特徴:給与水準は国内製薬で群を抜いており、成果が待遇にダイレクトに反映される。研究開発投資が積極的で、グローバル案件に携われる機会も豊富。
- 社員の声:「報酬は非常に高い」「評価制度が明確でやりがいがある」
👉 高収入を狙うなら業界トップ候補。残業は一定あるものの、報酬で納得感がある点でホワイト度は高い。
第2位:第一三共
- 平均年収:1,100〜1,200万円
- 残業時間:開発・MR職は繁忙期に増えるが、全体的に改善傾向
- 福利厚生:借上げ社宅、家賃補助、単身赴任手当など厚い支援
- 特徴:オンコロジー領域での強さが業績を押し上げており、報酬と会社の成長性が比例。評価制度も明確でキャリアアップを目指しやすい。
- 社員の声:「給与が非常に良い」「住宅制度が手厚く、家族持ちにはありがたい」
👉 高年収+福利厚生を重視するなら有力。残業はやや多いが、会社全体として働き方改革を進めている。
第3位:アステラス製薬
- 平均年収:950〜1,100万円
- 残業時間:月20時間台、比較的安定
- 福利厚生:社宅制度、住宅手当、海外研修制度あり
- 特徴:グローバル展開が進んでおり、報酬とワークライフバランスのバランスが良い。外資的な要素と日本的な安定が共存する社風。
- 社員の声:「給与が高く、福利厚生がしっかりしている」「外資的スピード感もあり、刺激的」
👉 給与と働きやすさを両立できる点でホワイト度は高い。海外志向のある人には特に向いている。
第4位:武田薬品工業
- 平均年収:1,100〜1,200万円(管理職以上はさらに高水準)
- 残業時間:研究・開発部門は多め(30時間前後)、全社平均は改善傾向
- 福利厚生:外資化の影響で日本的な住宅制度は縮小傾向。ただし報酬でカバーされる部分が大きい。
- 特徴:完全にグローバル製薬企業としての体制。成果主義が徹底しており、実力主義を望む人には最高の環境。
- 社員の声:「外資的な働き方で成果に応じた評価が明確」「給与水準は非常に高い」
👉 報酬はトップクラスだが、社内競争は厳しい。ホワイト度は人によって評価が分かれるが、成果主義にフィットする人にはホワイト。
第5位:エーザイ
- 平均年収:850〜950万円
- 残業時間:月20〜25時間程度
- 福利厚生:住宅手当、家族向け制度、退職金制度など堅実
- 特徴:中外や第一三共ほどの給与水準はないが、残業が比較的少なく安定的に働ける。患者志向の文化が根強く、社風も穏やか。
- 社員の声:「家庭と両立できる」「会社の理念に共感して働ける」
👉 年収は中堅水準だが、残業少なめ・社風良好でバランスが取れている。
第6位:大塚製薬
- 平均年収:800〜900万円
- 残業時間:営業部門はやや長めだが、全体平均は月25時間前後
- 福利厚生:社宅・住宅手当・単身赴任制度あり
- 特徴:飲料・食品部門も持ち、医薬品以外の安定収益源を持つ点が強み。給与は他大手に比べると抑えめだが、幅広い事業基盤による安定感がある。
- 社員の声:「安定して長く働ける」「食品事業があるので収益が分散されて安心」
👉 高年収を狙うよりも、安定志向・バランス重視の人に向いた会社。
総合比較表(年収・残業・福利厚生)

企業名 | 平均年収 | 残業時間 | 福利厚生の厚さ | 特徴 |
---|---|---|---|---|
中外製薬 | 約1,200万 | 25h | ◎ | 高収入・成果反映大 |
第一三共 | 約1,150万 | 25〜30h | ◎ | 高年収+制度厚い |
アステラス製薬 | 約1,000万 | 20〜25h | ◎ | バランス型 |
武田薬品工業 | 約1,150万 | 30h前後 | ○(縮小傾向) | グローバル成果主義 |
エーザイ | 約900万 | 20〜25h | ○ | 安定・社風穏やか |
大塚製薬 | 約850万 | 25h | ○ | 事業多角化の安定感 |
製薬大手6社の住宅制度・社宅補助比較表
企業名 | 独身寮 | 借上げ社宅(単身) | 借上げ社宅(家族帯同) | 住宅手当(自己契約時) | 単身赴任制度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
武田薬品工業 | 若手向け寮あり(家賃5,000〜15,000円) | 自己負担20〜30%、上限首都圏12〜13万円程度 | 自己負担20〜30%、駐車場は自己負担が多い | 支給は限定的(社宅優先) | 手当3〜5万円+月1回帰省旅費 | 外資化で制度縮小傾向だが報酬でカバー |
中外製薬 | 独身寮あり(自己負担5,000〜12,000円) | 自己負担15〜25%、上限首都圏13万円程度 | 自己負担20〜30%、更新料会社負担 | 独身2万円/既婚3万円程度 | 手当3〜5万円+帰省旅費 | 高年収に加えて住宅制度も安定 |
第一三共 | 独身寮あり(低負担) | 自己負担20%前後、上限首都圏13万円前後 | 自己負担20〜30%、間取り2LDK〜3LDK想定 | 独身2万円/既婚3万円程度 | 手当3〜6万円+帰省旅費 | 社宅制度・単身赴任手当が非常に手厚い |
アステラス製薬 | 独身寮あり(5,000〜15,000円) | 自己負担20%程度、上限首都圏12〜13万円 | 自己負担20〜30%、共益費会社負担あり | 独身1.5万円/既婚2.5万円程度 | 手当3〜5万円+帰省旅費 | バランス良く整備、海外赴任サポートも強い |
エーザイ | 一部拠点に独身寮あり | 自己負担20〜25%、上限は首都圏10〜12万円 | 自己負担25〜30%、地域相場を考慮 | 独身1.5万円/既婚2.5万円程度 | 手当3〜5万円+帰省旅費 | 中堅的水準、家族持ちに比較的優しい |
大塚製薬 | 寮あり(規模は限定的) | 自己負担20〜30%、上限首都圏10〜11万円 | 自己負担25〜30%、駐車場は自己負担 | 住宅手当は控えめ(独身1万円〜既婚2万円) | 手当3〜4万円+帰省旅費 | 安定志向だが住宅補助は控えめ |
住宅制度から見る各社の特徴
武田薬品:グローバル化で制度は縮小気味。ただし給与水準が圧倒的に高いためトータルではプラス。
中外製薬:高年収に加え、社宅制度もしっかり。家族帯同でも安心。
第一三共:住宅補助・単身赴任手当がトップクラス。家族持ちに優しい。
アステラス:住宅制度・海外赴任補助ともにバランス良し。転勤が多い人も安心。
エーザイ:給与は中堅水準だが、住宅補助は手堅く整備されている。
大塚製薬:住宅制度はやや控えめ。ただし事業の安定感で補われる。
まとめ
製薬業界の大手6社を比較すると、次のような特徴が見えてきます。
- 高収入狙いなら:中外製薬、第一三共、武田薬品
- バランス志向なら:アステラス製薬
- 安定・ワークライフバランスなら:エーザイ、大塚製薬
いずれの企業も「年収水準が高く、制度が整っている」点では間違いなくホワイトですが、自分がどのタイプのホワイトを求めるのかで選ぶべき会社は変わります。
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